ミーアを飼うまで、猫というはクールで、気ままで、賢い生き物だと思っていた。
運動神経バツグンで、忍者のように身軽で、足音を立てずに歩く、高いところから落ちてもきれいに着地する。
自分勝手で、ワンちゃんのように人間のいうことを聞いたりしない。
ぬれるのがきらいで、お水もあまり多く飲まない。
きれい好きで、神経質で、いつも寝ている。
それらはまた猫が私を惹きつける魅力でもあった。
ところが、ミーアは見事にこれらのイメージを破壊してくれた。
まず、ミーアはクールどころか、とんでもない甘えん坊である。
とにかく一緒にいたがる。私がトイレとかお風呂に入って、姿が見えなくなるとすぐ淋しそうに泣く。
中にいるこっちは落ち着かないから、早々と切り上げて出てしまう。(うう、長風呂が好きなのに・・・)
今はなんとかトイレに入ってもすぐ出てくるものだと理解したみたいで、泣かなくなったが、
かならずトイレの外で伏せの体勢で待っている。(これぞ待ち伏せ?!)
そして前足をドアと床の隙間から差し込んできて遊ぶ。しょうがないから、座ったままつま先で遊んであげる。
お風呂の場合は出てくるまで泣き止まない。
ドアの前でうろうろしては、顔を曇ガラスに押し付けて中の様子を伺う。
「ニャオ~ン、ニャオ~ン~~~~~」
「いかん、これじゃ近所の人に動物虐待してると思われちゃうわ」とドアを少しだけ開けて、
「ミーア、ママはちゃんといるから、そんなに泣かなくていいの。いい子にして待ってて。」
顔を見せると、ちょっと安心するみたいで、30秒くらい静かになる。
でも、また泣き始める、こっちはまた顔を出す・・・
一回のお風呂で、これを何十回も繰り返すのだ。あぁ、湯冷めしちゃうよ~(T_T)
何回かドアを開けたときに、入ってきたことがある。
湯船にはお湯がいっぱい入っていたし、床もぬれていたはずなのに、
ちっとも怖がらず、興味津々と探険を始めた。
しまいに、湯船のふたに跳び乗り、ちょこんと座り込んで、こっちをじーっと見つめる。
「ちょっ、ちょっとミーア!そんなにジロジロ見ないでよ。」猫相手に照れてしまう私だった。
「あ、ミーア、おててもおなかもしっぽもぬれちゃったじゃないか!
いい?猫というのはね、水を嫌がるもんなんだよ。」
「にゃん??」当の本人(本猫)はまったく気にならないようだ。
本当に猫という自覚があるのかしらね。
そういえば、昨日の地震のときも大きくて長かったから、結構こわかった。@_@
しかし、ふととなりを見るとミーアは何事もないかのように、普通に遊んでいた。
うぅむ、度胸があるのか、はたまた地震に気がついていないだけか、(後者だと思うが)
どっちにしても、ノーテンキな猫だ。
動物は地震などを予知することもできるというのに、
「キミには本能というものがないのか?」
「ふにゃ~?」と間の抜けた声。
ま、パニックになるよりはマシか。いざっていうとき、抱っこして一緒に逃げられるから。